舞台の上で輝いて
劇場からほど近いこじんまりとしたフレンチのお店に連れていってもらう。
こんなに近い所にこんなに小洒落たお店があるなんて知らなかった。

興奮状態が完全に覚めたわけではないので、お腹もそれ程には空いてないので、軽いプチコースを頼む。
乾杯するのにシャンパンも注文する。


「プリンシパル昇格おめでとう。乾杯。」

と言ってグラスを目線の高さまで持ち上げる。

「ありがとうございます。まだ実感はないんですけど…」

答えながら軽くグラスを触れ合わせる。
チンと涼やかな凛とした音が鳴る。

食事をしながら今日の舞台について色々と話す。
まだふわふわした感じが残っているみたい。
シャンパンのせいかしら?

僅か数ヶ月前までは挨拶しか交わした事がなかったのが嘘の様に楽しい会話は続く。

デザートまで食べ終えて、食後のコーヒーを飲んでいると、

「香織ちゃん、舞台が終わったら言おうと思っていた事があるんだ。
香織ちゃん、君のことが好きです。
付き合ってほしい。」

「えっ。」

拓也さんが私の事を好き?
私は拓也さんに相応しい?
私はもうずっと拓也さんの事好きだったけど…

「私で良いんですか?まだ親しくなって3ヶ月しか経ってないですし、私は…」
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