舞台の上で輝いて
嬉しいくせに、自分は拓也さんに相応しいとは思えなくて否定の言葉を口にすると、話している途中で拓也さんが私の話を中断させた。

「香織ちゃんは知らないかもしれないけど、僕はずっと前から香織ちゃんの事知ってるよ。
確か、香織ちゃんは中学生位だったかな?
ATCバレエコンクールに出たでしょう。
確か奨励賞を受賞したよね。」

いきなり6年も前のコンクールの事を言われた。
確かにそのコンクールにエントリーして奨励賞をいただいた。
それまではバレエが好きだから上手くなりたいと思って練習していた。
でも中学生3年生になってすぐお母さんに連れて行ってもらった拓也さんの舞台を観て心が震えるほど感動した。
絶対に拓也さんと同じ舞台で私も踊りたいと強く願った。
それからは、もう今までの練習を練習とは呼べない位必死にバレエと向き合った。

お教室の先生が私の変化に気がついて、コンクールを勧めてくれた。

プロになる事を意識して、初めて臨んだコンクール、それが今拓也さんが話しているATCバレエコンクールだ。

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