舞台の上で輝いて

でも、すぐに分かった。
結城さんは何気なく踊っている様で、どうしたら私が1番綺麗な身体のラインを出せるのか、どうサポートすれば、私が踊りやすくなるのか瞬時に判断して、サポートする手の動きだったり、立ち位置だったりを常に微調整してくれているから出来てたんだ。

テクニックがあって、カリスマ性があって、音楽性にも優れているのに加えて、パートナーによって微妙に違うサポートの仕方を瞬時に判断出来てしまえるなんて、本当に天才だ。
しかも、顔も整っていて、身体も180センチを越えていて、スタイルも抜群。
練習着をきて、いつものスタジオでリハーサルをしているのに、本当に森の中にいて、目の前に王子様がいるとしか思えない。
この胸のドキドキは私の鼓動だけど、きっとオデットも王子様と会ってた時はこんな風にドキドキしてたんだろうなぁ。

リハーサル初日、結城さんの優しい配慮のお陰で実りある練習が出来た。
合わせるのが難しい所は結城さんがカウントを取ってくれて、穏やかな声を聞きながら2人で合わせて踊れる、これって幸せ以外の何物でもない。
練習終わりには、普通に話をする事も出来るようになっていた。