ゲーム友達
「あかりが運動すんのレアだな。体操服姿とか中学以来でちょっとテンションあがるわ」

「…早坂くん、変態みたい」


警戒した私が横に一歩距離を取ると、早坂くんは笑いながら「冗談、冗談」と言った。



「もうすぐ始まる」


早坂くんの一言でコートの真ん中に視線を向けると得点係の生徒が集合を求めていた。


「ま、足引っ張るなよ。“国見さん”」

早坂くんは私の背中をポンと叩くとコートのセンターラインに向かって歩き始めた。

「引っ張らないよ…」








自分で言っておきながら、いざ苗字で呼ばれることに寂しさを感じるなんて。

わがままだな自分に苦笑いをした。



< 9 / 31 >

この作品をシェア

pagetop