天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「それもわかった」

 ライナスは工房見学をするのは初めてらしい。馬車の中での宣言通りディートハルトと手を繋ぎ、勝手に走り出さないあたりは、やはりきちんとしている。

 父が先頭に立ち、まずは国王と王妃、ディートハルトとライナスが続く。ふたりの後をミリエラは歩いた。

「お前は手を繋がないのか」
「はい、殿下。ミリィは繋ぎません」

 ディートハルトとライナスの間に割り込もうとしていると思われていたら、どうしよう。けれど、すぐにライナスの興味は魔道具職人の手元にと移った。

 ディートハルトの手をきゅっと握りしめたまま、魔道具職人が炉から熱した金属を取り出しているのを見つめている。

「この金属は、なにでできているのか?」
「ギャングフィッシュの魔石と、鉄、それに少しの銀です。侯爵様が冷蔵庫に使いやすいよう開発してくださった金属を使っています」

 国王の問いに、迷うことなく魔道具職人は返す。

 この魔道具工房の主は、ミリエラもよく知っている人物だ。

 父の仕事を多く引き受けてていて、父が仕事を休んでいる間もこの地を離れなかった信頼できる相手だ。

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