天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「ですから、そういうお話ではないのですよ。陛下、私は一度過ちを犯しました」

 生まれたばかりの娘を遠ざけ、会話をかわすこともないまま五年。マウアー夫妻が親同然の愛情を注いでいたとはいえ、ずいぶんと寂しい思いをさせてきた。

 時々、子供らしからぬことを口にするのも、こちらを気遣っているような目を見せるのも。無理に大人にさせてしまったのではないかと心配になる。

 それこそ、錬金術の礎(いしずえ)を作り上げたアメルティナ・レイヴィスと同等といっても過言ではない才能を持ち合わせているとわかった今はなおさら。

「ミリエラに足かせをつけるつもりもありません。ミリエラが大人になってどんな道を歩むのであれ、見守り続けるのが私の役目だと思っています」
「王家との婚姻が、足かせだと?」
「ええ。ミリエラの選ぶ未来の邪魔になるのでしたら、足かせでしょう」

 大きく嘆息して、王は手にしたグラスに口をつける。一気に半分ほどが空になった。この酒は、なかなか強いはずなのに。

「──まったく。王家からの婚姻の申し込みを、こうもあっさり蹴るとは」
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