天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 名前をつけろと言われ、名をつけたら契約したことになってしまっていたのだ。うかつに契約をするのはよくない気がする。

「……でも」
「ミリエラ、どうかしたのかな」
「パパ、炎の精霊が名前をつけてほしいって言うの」

 手が止まってしまったミリエラの方に、父は怪(け)訝(げん)な目を向けたけれど、続いての説明に、あぁとうなずいた。

「そうか。それなら、契約をするかどうかゆっくり考えないといけないな。精霊と契約すると、マナを使うことになるから」

 後悔しているわけではないし、怒っているわけでもないけれど、エリアスとの契約は半分だまし討ちだった。名前をつけたら契約したことになると、当時のミリエラは知らなかったのだから。

(妾に名前をつけるのじゃ、ミリエラよ)

 炎の中にいる精霊から、再び声が聞こえてくる。契約してあげたい気はするけれど、どうなのだろう。

『待て、ミリエラ。契約するのではない!』

 続いて聞こえてきたのは、エリアスの声。

(エリアスよ、それは話が違うのではないか?)

 ミリエラにしか聞こえない精霊達の声。今度はどんな精霊なのだろう。

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