天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 難しい単語を読むことも書くこともできるのに、悪筆過ぎて解読不可能というのでは本末転倒である。

「どうやって、色を出したらいいかな」
「絵具を一緒に打ち上げるんだろ?」

 とまあ、カークは単純である。子供ならば、こんなものだろう。

「っていうか、打ち上げたものがそのまま落ちてくるんじゃダメだよねぇ……」

 高いところから落ちたものは、ぶつかった時にかなりの衝撃を持つことになる。

 たとえ、消しゴムほどのサイズだったとしても、当たり所によっては重傷になってしまう。

 となると、空中で煙のように消えなければならない──やはり、燃やすのが正解か。

 父の邪魔をしないように、仕事場の片隅に設けられたミリエラ専用スペースに移動する。

「じゃあ、まずどんな花火を作りたいのか考えてみようか」

 父がディートハルトに代表になるよう言ったのは、こういうことを見越してのことだろう。自然とディートハルトが他のふたりをまとめるような立場についている。

< 256 / 279 >

この作品をシェア

pagetop