天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「俺は、ピンクとか紫とか、可愛い色があるといいな。あと、美味しそうな匂いがするっていうのもいいと思う──ええと、それから音楽が一緒に鳴るってのは? ライはああいうの好きそうだもんな」

 カークの言っていることはめちゃくちゃであるが、そういう花火が実際に作れたら楽しいだろう。彼がそう言うのなら、きっとライナスも気に入ってくれる。

「音楽は難しいと思うんだけど、空中に絵を描くっていうのは、どうかな?」

 前世でも、そういう花火を見たことがあるような気がする。

 空中に、ハートの形や、アニメのキャラクターなどを描くのだ。風向きや角度によっては、崩れてしまうこともあったけれど、条件が合えばなかなか綺麗に見えた気がする。

「字も書けたらいいな」

 カークがそう口にした瞬間、意見を書き留めていたディートハルトの手が止まった。ミリエラも、首だけ動かしてカークの方を見る。

 字を書く──たしかに、マナで制御すればそのくらいできそうだ。

「カークすごい! 今のそれ、すごくいいよ!」

 再びカークに飛びつく。黒板の前で、ディートハルトもうんうんとうなずいた。

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