天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「これから先は少し危険な作業になるので、殿下は王妃様のお隣にいてください」
「わかった」

 こっくりとうなずいたライナスは、王妃のスカートをぎゅっと掴む。危険な作業と言われて、いくぶん恐怖心が起こったらしい。

 父は、手際よく錬金釜にマナを注ぎ、材料を練り上げていく。錬金釜から取り出したそれをテーブルに運んでいくのは、ミリエラがやった。

「次に、この型に入れていきます。やってみますか?」
「うん!」

 出来上がった素材を、ワッフルを作る型のように小さく四角く区切られた型に流していく。

 この型は、領地内に住んでいる鍛冶屋に依頼して作ったものだ。この花火が流行することになったら、鍛冶屋も大忙しになるに違いない。

「できたよ、侯爵」
「お上手です、殿下」

 父に褒められ、ライナスは得意げに胸をそらす。型に入れ、冷えたところで取り出すと、今度はそれを事前に用意した玉の隙間に詰めていく。

「侯爵、玉の中に入っているのはなに?」
「打ち上げてからのお楽しみです、殿下」

< 269 / 279 >

この作品をシェア

pagetop