天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「オーランドが正しいと思うよ。この大きさの魔物なら、きっとカークなんてペロッて食べちゃう。ディーもね」
「蛇は獲物を丸のみにするからね。運がよければ助かるかもだけど──うん、ミリィの言う通り、僕達を外で待機させたオーランドが正しいね」
「うへぇ」

 丸のみされた自分の姿を思い浮かべたのか、カークはげんなりとした声をあげた。

 それにしても、初めて泊りがけで魔物討伐に行き、これだけの成果を上げたのだとしたらたいしたものである。

 本当に危険な場合には、ふたりは遠く離れ、大人達が対処したとしても素晴らしい。だから、ミリエラは惜しみなく称賛の言葉を浴びせかける。

「本当に、ふたりともすごいよ! こんなにいっぱい魔石を持ってきてくれるって思わなかったもん」

 素直な言葉に、ふたり顔を見合わせて照れくさそうに笑う。その顔を見ていたら、ミリエラもなんだか嬉しくなってきた。

「そうだ、エリアスにも見せてやろうよ」
「そうだねぇ、そうしようか」

 カークの提案に乗り、風の精霊王エリアスを呼び出す。エリアスは、ミリエラの呼びかけに応じて姿を見せた。

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