カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない~
自分が他の新婦と作り上げていった結婚式のプランを、自分自身が体験する。
こんな奇妙な体験をする人が、この世の中にどれくらいいるのだろうか。
いや、世界中探したって、きっと私しかないと思う。
急遽執り行われた……いや、予定通り行われた蒼空の結婚式は、例を見ないほどある意味異質な結婚式だった。
新婦の名前が違うというのは、印刷ミスという、本来ならば絶対にあってはならない苦しい言い訳で何とか誤魔化した。
新婦側の参列者がいないというのは、手の空いているスタッフが貸衣装を着用し、いかにも新婦の友人であるかのような体で参列するということで誤魔化した。
私の両親の不参加は、幸いなことに両親ともに海外転勤であったため何とか誤魔化した。
おばさんが私の母親ともたまに連絡を取っている間柄だと知り、時差など関係なく慌てて両親に電話で報告した。
かなり驚いてはいたものの蒼空のことは昔から気に入っていたので喜んでくれ、経緯を聞かれた私は蒼空がおばさんに説明した通りに話して誤魔化した。
ウエディングドレスの胸元の隙間は、屈辱的ながら分厚いパッドで誤魔化した。
全てにおいて誤魔化し放題の結婚式ではあったけれど、自分が当初思い描いていた通り、小ぢんまりとしているけれど温かい、素敵なお式だったと思う。
こうやって実際の花嫁となって自分が手掛けた結婚式を体験してみると、我ながらいいプランナーに成長しているのではないかと感じることができた。
披露宴もない身内のみの小さな小さな結婚式だけれど、不思議と私は蒼空と本当に結婚までの時間を共に過ごしてきた、本物のカップルなんじゃないかと錯覚させられるほどだ。
なぜならば、隣で嬉しそうに微笑みながら誓いのキスで私の頬に口付けた蒼空が、本当にこの上なく幸せそうに見えたからだ。
こんな奇妙な体験をする人が、この世の中にどれくらいいるのだろうか。
いや、世界中探したって、きっと私しかないと思う。
急遽執り行われた……いや、予定通り行われた蒼空の結婚式は、例を見ないほどある意味異質な結婚式だった。
新婦の名前が違うというのは、印刷ミスという、本来ならば絶対にあってはならない苦しい言い訳で何とか誤魔化した。
新婦側の参列者がいないというのは、手の空いているスタッフが貸衣装を着用し、いかにも新婦の友人であるかのような体で参列するということで誤魔化した。
私の両親の不参加は、幸いなことに両親ともに海外転勤であったため何とか誤魔化した。
おばさんが私の母親ともたまに連絡を取っている間柄だと知り、時差など関係なく慌てて両親に電話で報告した。
かなり驚いてはいたものの蒼空のことは昔から気に入っていたので喜んでくれ、経緯を聞かれた私は蒼空がおばさんに説明した通りに話して誤魔化した。
ウエディングドレスの胸元の隙間は、屈辱的ながら分厚いパッドで誤魔化した。
全てにおいて誤魔化し放題の結婚式ではあったけれど、自分が当初思い描いていた通り、小ぢんまりとしているけれど温かい、素敵なお式だったと思う。
こうやって実際の花嫁となって自分が手掛けた結婚式を体験してみると、我ながらいいプランナーに成長しているのではないかと感じることができた。
披露宴もない身内のみの小さな小さな結婚式だけれど、不思議と私は蒼空と本当に結婚までの時間を共に過ごしてきた、本物のカップルなんじゃないかと錯覚させられるほどだ。
なぜならば、隣で嬉しそうに微笑みながら誓いのキスで私の頬に口付けた蒼空が、本当にこの上なく幸せそうに見えたからだ。