カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない~
常識的に考えて、この結婚はありえないと思う。
そんなことは十分にわかっているのだけれど、私はどういうわけかそんなに大きな問題だとは感じていなかった。
そもそも今さら蒼空と再会するなんて思っていなかったし、蒼空が花嫁から逃げられるとも思っていなかった。
ましてやその代わりに私が蒼空と結婚する羽目になるなんて、いったい誰が予想しただろうか。
ありえないことだらけなのだが、初めの戸惑いはどこへやら、いつの間にか結婚することを完全に受け入れてしまっている自分自身に驚いている部分もある。
なにせ私は今、胸ポケットからボールペンを取り出し、婚姻届けにサインをしながら、吉崎様のウエディングドレス、私に入るかしら?などと考えているのだから。
「これが提出されれば、俺たちは本当の夫婦になるわけだけど」
本当にいいのか、と口には出さないまでも、蒼空の瞳の揺れ具合で言いたいことは伝わった。
「まだ実感わかないけど、提出すれば気持ちも変わるのかしら」
そんな不安そうな顔しなくたって大丈夫だよ。
そんな思いで笑顔を向けると、蒼空は私のことを力いっぱい抱きしめた。
「この先どんなことがあっても絶対に由華ちゃんを守るから。この気持ちは信じてほしい」
私をすっぽりと包み込んだ蒼空の胸に体をあずけると、驚くほどに大きく早い鼓動が伝わった。
勝手に近づいてきて、花嫁に逃げられたと思ったら突然プロポーズするし、あろうことか私が初恋でずっと拗らせてるなんて聞かされたら、私もほだされてしまうじゃないか。
ずいぶん長いこと会ってなかったというのに、あっという間に蒼空は私の心を侵食した。
そんなことは十分にわかっているのだけれど、私はどういうわけかそんなに大きな問題だとは感じていなかった。
そもそも今さら蒼空と再会するなんて思っていなかったし、蒼空が花嫁から逃げられるとも思っていなかった。
ましてやその代わりに私が蒼空と結婚する羽目になるなんて、いったい誰が予想しただろうか。
ありえないことだらけなのだが、初めの戸惑いはどこへやら、いつの間にか結婚することを完全に受け入れてしまっている自分自身に驚いている部分もある。
なにせ私は今、胸ポケットからボールペンを取り出し、婚姻届けにサインをしながら、吉崎様のウエディングドレス、私に入るかしら?などと考えているのだから。
「これが提出されれば、俺たちは本当の夫婦になるわけだけど」
本当にいいのか、と口には出さないまでも、蒼空の瞳の揺れ具合で言いたいことは伝わった。
「まだ実感わかないけど、提出すれば気持ちも変わるのかしら」
そんな不安そうな顔しなくたって大丈夫だよ。
そんな思いで笑顔を向けると、蒼空は私のことを力いっぱい抱きしめた。
「この先どんなことがあっても絶対に由華ちゃんを守るから。この気持ちは信じてほしい」
私をすっぽりと包み込んだ蒼空の胸に体をあずけると、驚くほどに大きく早い鼓動が伝わった。
勝手に近づいてきて、花嫁に逃げられたと思ったら突然プロポーズするし、あろうことか私が初恋でずっと拗らせてるなんて聞かされたら、私もほだされてしまうじゃないか。
ずいぶん長いこと会ってなかったというのに、あっという間に蒼空は私の心を侵食した。