カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない~
せっかく蒼空が真面目な話をしてくれそうになっているというのに、私は一体何をしているのだろう。
赤くなった顔を隠すかのように、私は頬を手で覆った。
「それで確認なんだけど」
「はい」
「入籍の件、本当によかったの?」
「あ……」
改めて冷静に聞かれるとは思っていなかったことに、私は思わず戸惑ってしまう。
けれど今さらどうにもならないことなのだ。
私と蒼空がサインした婚姻届けは、おばさんが満足げに封筒に戻して持ち帰ってしまった。
そしてこの後、私達と一緒に区役所に提出しに行くことになっているのだから。
「俺はね由華ちゃん。結婚式場で由華ちゃんに再会したとき、神様の存在を感じたくらいに嬉しかった。運命なんだと思ったよ。なのに他の人と結婚しようとしている自分に嫌気がさして仕方なかった。そんな気持ちを抑えきれなくて、相手の人に失礼な態度をとってしまったんだ。本当に最低だってことは自覚してる」
「蒼空……」
蒼空が私との結婚の経緯をおばさんに話した内容と変わらない言葉に、蒼空の私への想いが本物だと実感した。
苦し紛れの誤魔化し方だと思っていたけれど、蒼空は本当に本気でそう思っているんだ。
「だから正直、彼女が式場に来なかったとき、これはラストチャンスだと思った」
彼女の父親から電話で責められても飄々としていたのは、そんな理由があったからなのか。
赤くなった顔を隠すかのように、私は頬を手で覆った。
「それで確認なんだけど」
「はい」
「入籍の件、本当によかったの?」
「あ……」
改めて冷静に聞かれるとは思っていなかったことに、私は思わず戸惑ってしまう。
けれど今さらどうにもならないことなのだ。
私と蒼空がサインした婚姻届けは、おばさんが満足げに封筒に戻して持ち帰ってしまった。
そしてこの後、私達と一緒に区役所に提出しに行くことになっているのだから。
「俺はね由華ちゃん。結婚式場で由華ちゃんに再会したとき、神様の存在を感じたくらいに嬉しかった。運命なんだと思ったよ。なのに他の人と結婚しようとしている自分に嫌気がさして仕方なかった。そんな気持ちを抑えきれなくて、相手の人に失礼な態度をとってしまったんだ。本当に最低だってことは自覚してる」
「蒼空……」
蒼空が私との結婚の経緯をおばさんに話した内容と変わらない言葉に、蒼空の私への想いが本物だと実感した。
苦し紛れの誤魔化し方だと思っていたけれど、蒼空は本当に本気でそう思っているんだ。
「だから正直、彼女が式場に来なかったとき、これはラストチャンスだと思った」
彼女の父親から電話で責められても飄々としていたのは、そんな理由があったからなのか。