カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない~
私は蒼空の首元に、自分の腕をゆっくりと回した。
どうしてこんな行動に出たのか、私自身もわからない。
けれど少しでも蒼空との物理的距離を縮めたいと思ってしまった。
優しく、愛おしく、力強く、思いきり抱きしめてほしいと思ったのだ。
もっというなれば、その先も……。
「由華ちゃんって、そんな表情して誘うんだね」
「え……」
「由華ちゃんの表情、ゾクゾクする」
額にかかった髪を指で払われただけで、私の身体がピクリと反応した。
「あどけない女の子の表情しか知らなかったのに。大人になった由華ちゃんにそんな目で誘われたら堪らない」
喉を鳴らす音がかすかに聞こえ、私こそ堪らなくなった。
「それを言うなら蒼空のほうだよ」
「俺が?」
「昔から私のこと好きだったって言うわりには、なにもできないままだったくせにさ。今頃になって表れて、強引にこんなことになっちゃうんだもの。その目で迫られたら、何でも言うこと聞いちゃいそうになる……」
私が今ここにこうやっているのは全部蒼空のせいだと思っていた。
「なんでも……ね」
しかしそう言って妖しく笑った蒼空を見つめたら、そうじゃないのかもと思えてしまった。
どうしてこんな行動に出たのか、私自身もわからない。
けれど少しでも蒼空との物理的距離を縮めたいと思ってしまった。
優しく、愛おしく、力強く、思いきり抱きしめてほしいと思ったのだ。
もっというなれば、その先も……。
「由華ちゃんって、そんな表情して誘うんだね」
「え……」
「由華ちゃんの表情、ゾクゾクする」
額にかかった髪を指で払われただけで、私の身体がピクリと反応した。
「あどけない女の子の表情しか知らなかったのに。大人になった由華ちゃんにそんな目で誘われたら堪らない」
喉を鳴らす音がかすかに聞こえ、私こそ堪らなくなった。
「それを言うなら蒼空のほうだよ」
「俺が?」
「昔から私のこと好きだったって言うわりには、なにもできないままだったくせにさ。今頃になって表れて、強引にこんなことになっちゃうんだもの。その目で迫られたら、何でも言うこと聞いちゃいそうになる……」
私が今ここにこうやっているのは全部蒼空のせいだと思っていた。
「なんでも……ね」
しかしそう言って妖しく笑った蒼空を見つめたら、そうじゃないのかもと思えてしまった。