カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない~
自分の身に何が起きたのかが理解できなくて、私は目を丸くして固まった。
「由華ちゃんはいつでもどこでもスキだらけだね」
私の真上で、蒼空は意地悪そうな笑みを見せてそう言った。
「……え?」
生まれてこのかた、スキだらけなんて言われたことは一度もない。
今まで付き合ってきた人たちにでさえ、『ガードが堅い』だの『身構えすぎ』だの。
挙句の果てには『俺は男と付き合ってるんじゃないんだ』とまで言われる始末で、一時期は相当落ち込んだものだけど、そんな私に蒼空は『スキだらけ』だという。
「私……そんなこと初めて言われた……」
「ふうん……。ということは、由華ちゃんは俺にだけスキを見せるってことなんだね」
ものすごく整った蒼空の顔が怪しく歪むと、少しずつ距離を詰めてくる。
「そうかそうか。つまり俺は由華ちゃんの特別ってわけなんだね」
「そんなのわかんないっ」
手で顔を覆ったけれど、それはあっけなく蒼空によって取り払われた。
通常では絶対に聞けない頼みを聞いてしまうのも、人生が大きく変わることを恐れなかったのも、今こうやって押し倒されたって抗えないのも。
本当に私の中で蒼空が特別になっているかはわからないが、今はっきりとしていることは。
「わかんないんけど……。でも、なんだか……そのまま降りてきてほしいかも……」
自分でも何を口走ったのか理解できないまま、私は下から両手を広げ、蒼空が私のもとに降りてくるのを待った。
「由華ちゃんはいつでもどこでもスキだらけだね」
私の真上で、蒼空は意地悪そうな笑みを見せてそう言った。
「……え?」
生まれてこのかた、スキだらけなんて言われたことは一度もない。
今まで付き合ってきた人たちにでさえ、『ガードが堅い』だの『身構えすぎ』だの。
挙句の果てには『俺は男と付き合ってるんじゃないんだ』とまで言われる始末で、一時期は相当落ち込んだものだけど、そんな私に蒼空は『スキだらけ』だという。
「私……そんなこと初めて言われた……」
「ふうん……。ということは、由華ちゃんは俺にだけスキを見せるってことなんだね」
ものすごく整った蒼空の顔が怪しく歪むと、少しずつ距離を詰めてくる。
「そうかそうか。つまり俺は由華ちゃんの特別ってわけなんだね」
「そんなのわかんないっ」
手で顔を覆ったけれど、それはあっけなく蒼空によって取り払われた。
通常では絶対に聞けない頼みを聞いてしまうのも、人生が大きく変わることを恐れなかったのも、今こうやって押し倒されたって抗えないのも。
本当に私の中で蒼空が特別になっているかはわからないが、今はっきりとしていることは。
「わかんないんけど……。でも、なんだか……そのまま降りてきてほしいかも……」
自分でも何を口走ったのか理解できないまま、私は下から両手を広げ、蒼空が私のもとに降りてくるのを待った。