恋した先輩には病みがある!?
昨日のような強引さはなく、まるで壊れ物に触れるように恋桃の手を優しく包んでくれました。


「恋桃、帰ろう」
「はい!」


斗愛くんは恋桃の満面の笑みを見た後、目だけ奥田君の方を向けました。

恋桃に向ける優しいものとは違い、鋭いものでした。

それが恋桃に向けられたらと思うと泣いてしまいそうです。

奥田君の言っていた「やばい目」とはこのことでしょうか。

確かに怖いですが、それ以上に芸術作品のように崇高だというのに・・・。


「じゃあね、奥田?君」
「・・・どーも」


恋桃と話すときよりも数段低い声を出した斗愛くんは恋桃の手を引きながら教室を後にしました。

心なしか奥田君の声も低かったような・・・?うろ覚えですが。

まぁどっちでもいいです。

何故なら斗愛くんに手を引かれてそれどころじゃないので!!!

まさか学校で手を繋がれる日が来るとは・・・!!

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