明日には居ない君の物語

通学路

ズキッ

「ッ…」

朝目覚めるとなんとなく頭痛がする。

熱を測ってみても特に変わりなく、平熱だ。

「涼香〜、朝ごはん〜!!」

「はぁい」

お母さんが私を呼ぶ声が聞こえてきたので、返事をして制服に着替える。

「お母さん、おはよ」

「おはよう、ほらさっさと食べないと。要くんも待ってるんだから」

そう言いながら視線を逸らしたお母さんの視線の先を見る。

「涼香、おはよ」

!?

「ケホッケホッ…」

「涼香!?」

なんで要がいるの?

「ケホッ…だ、大丈夫。驚きでむせただけだから」

咳払いをし、喉の調子を取り戻す。
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