明日には居ない君の物語
「楓さん、いつからいたの?」

「涼香ちゃんが目覚めるちょっと前からいたわよー」

「えっ、じ、じゃあ…」

「あっはは!うん、聞いちゃった〜!!んふふ、いいものみーちゃーった!!いゃ〜、若いっていいねえ……」

“あたしはこの間彼氏に振られたのに…”とぶつぶつ言ってはいるが気にしない。

ていうか、楓さん今回振られたので私が知ってる限り20人目だよ…?

なんでそんなに振られてるの…?

サイコだから…?

「楓さん、俺こんなに死にたくなったの初めてだわ…」

「ん〜、あたしもそろそろ結婚したぁい」

いや、結婚の話は一切してないのよ。

「要くんさぁ、なんて言ってプロポーズしたの?ねぇねぇねぇねぇ!」

は?

なんで楓さん知ってるの!?

「あっはは!涼香ちゃん、顔すごいコロコロ変わってる!!なんで知ってるの?って顔しながら赤くなってるし!かーわいい!!」
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