最愛の日々にピリオドを、
「なー呉羽」
「うん?」
「俺ら、もしかして未練たらたらなんじゃね」
「……未練が一ミリもなかったら昨日の時点で家に帰ってるわよ」
「はは、たしかに。俺も、引き留めてないわ」
「うん、そうだよ。」
「でもこの2日間が余計な気を引いてきてんだよな」
「誰よ、まだいてもいいよって言った人」
「帰りたくない、って言ったのそっちだろ」
「………」
「どっちでもいいけど、どっちもそう思ってたんだから、それでいいんだよ」
ただそれを、未練という一言で片づけたくはない。そんな簡単な3文字で完結できるような気持ちではない。けど、未練以上に私たちを表す言葉がないから、そう言うしかないのだ。
ホットプレートを置いたら取り皿置くスペースがちっとも確保できないテーブル。二人で行ったゲーセンのUFOキャッチャーで取った大きなぬいぐるみは新居には持っていかないらしい。卒業を前にして必死にパソコンと向き合って卒論を書いていたテーブルには、大学のものがひとつもない。ふたりで眠るには少し狭いベッドでわたしたちは今日も肩を寄せ合って眠る。
「―――本当に、終わっちゃうの、」
あたりを見渡して、思わず零れ落ちた本音を夕雅はしっかりと聞き逃さなかった。彼は顔をくしゃくしゃに歪めて、泣きそうな顔をして笑いながら、何も言わずに頷いた。