孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
「あっ。ああ、あれ。あれね。……あれは、私の方が……」
今でも変わらず込み上げてくる羞恥心で、私の声は裏返った。
最後まで言い切れず、語尾が尻すぼみになる。
力なく俯き、ストンと腰を下ろして正座した。
霧生君が、こちらに歩いてきた。
私と直角の位置で、ドスッと胡坐を掻く。
そして。
「霞。それ……」
やや警戒が滲む声色に導かれ、私はおずおずと顔を上げた。
口を手で覆って言葉の先をのむ彼の目は、床の上の卒業アルバムに注がれている。
私は、ゴクッと唾を飲んだ。
アルバムを自分の方に引き寄せて、膝にのせる。
両手を置いて、ギュッと握りしめ――。
「……これも、ごめん。私、教えてもらうまで全然知らなくて。私が出しゃばったせいで、霧生君にこんな嫌がらせされてたなんて」
「嫌がらせ?」
「霧生君に恨まれるのも当然。……はは、よ~くわかった」
勢いよく顔を上げて、必死に笑みを浮かべてみせた。
だけどすぐに頬がひくっと引き攣り、みっともない笑顔になってしまう。
霧生君は怪訝そうに、私を見つめている。
私は歪んだ笑みを引っ込め、彼から逃げて顔を伏せた。
アルバムの上でカタカタと震える手に目を落とし、
「私、もう結婚継続に意見したりしない。このまま一生、霧生君の秘密を守るって約束する」
自分の中で確認するように、一語ずつ切って口にした。
今でも変わらず込み上げてくる羞恥心で、私の声は裏返った。
最後まで言い切れず、語尾が尻すぼみになる。
力なく俯き、ストンと腰を下ろして正座した。
霧生君が、こちらに歩いてきた。
私と直角の位置で、ドスッと胡坐を掻く。
そして。
「霞。それ……」
やや警戒が滲む声色に導かれ、私はおずおずと顔を上げた。
口を手で覆って言葉の先をのむ彼の目は、床の上の卒業アルバムに注がれている。
私は、ゴクッと唾を飲んだ。
アルバムを自分の方に引き寄せて、膝にのせる。
両手を置いて、ギュッと握りしめ――。
「……これも、ごめん。私、教えてもらうまで全然知らなくて。私が出しゃばったせいで、霧生君にこんな嫌がらせされてたなんて」
「嫌がらせ?」
「霧生君に恨まれるのも当然。……はは、よ~くわかった」
勢いよく顔を上げて、必死に笑みを浮かべてみせた。
だけどすぐに頬がひくっと引き攣り、みっともない笑顔になってしまう。
霧生君は怪訝そうに、私を見つめている。
私は歪んだ笑みを引っ込め、彼から逃げて顔を伏せた。
アルバムの上でカタカタと震える手に目を落とし、
「私、もう結婚継続に意見したりしない。このまま一生、霧生君の秘密を守るって約束する」
自分の中で確認するように、一語ずつ切って口にした。