孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
告解して懺悔したい気分になり、自らポツリと切り出した。
操が、肩越しに私を見遣ってくる。


エレベーターホールに辿り着くと、すぐに一台降りてきて、私と操、二人だけで乗り込んだ。
ベッド一台が入る広さの箱の中で、互いに壁に背を預けて向かい合い、


「霧生先生に、迷惑って言われたの?」


操が上目遣いで探ってきた。
私はかぶりを振って応える。


「卒業アルバムに、残ってるの。それ見てたら、自分が情けなくて、泣けてきちゃって」


軽く投げ出した足の爪先に目を落とし、自嘲気味に乾いた笑い声を漏らした。
自分が痛くて、きゅっと唇を噛む。
すると。


「どんな風に?」

「え? ええと……」


一瞬、彼女の質問の意図が掴めず、曖昧に語尾を尻すぼみにした。


「アルバムに残ってるって、写真? 二人で写ってて、冷やかされた……とか?」


ズバリ言い当てられ、ギョッと目を剥いた。


「っ。なんでわかるの!?」


思わず声をひっくり返らせると、深い溜め息が返ってくる。


「それなら、迷惑どころか、一生の宝物でしょ」

「は?」

「……そっか。伝わってもいなかったって言ってたっけ」
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