孤高の脳外科医は初恋妻をこの手に堕とす~契約離婚するはずが、容赦なく愛されました~
まるで昨日のことのように鮮明に覚えているけど、あれからもう一年経ってしまった。
振り返るまでもなく、今年も実りのない一年だった――。
休暇に入ってから大晦日まで、私は苦い思いでこの一年を振り返りながら、自分の荷物をまとめた。
なにかに集中していないと、戻ってこない霧生君を気にして、塞いでしまいそうだった。
大晦日当日は、午前中から食材の買い出しに出かけた。
もちろん、彼に約束した手料理を振る舞うためだ。
私が作る料理とは、洗い物が少なく短時間で手早く作れる……ワンプレートと言えば聞こえがいい丼物ばかり。
全部作るなんて言ったけど、まさか全部丼で用意するわけにもいかない。
ご飯を炊き、普段は上にのせる具材を、それぞれお皿に盛りつけた。
ダイニングテーブルにズラッと並べてみると、ほぼ茶色一色。
霧生君が作ってくれたのと比べたら、色気も素っ気もない。
それでも午後六時には、二人で最終日を納める準備を完了した。
私はリビングのテレビを点け、ダイニングテーブルのいつもの席に腰かけた。
途中、紅白歌合戦にチャンネルを合わせてBGMにしながら、霧生君の帰りを待った。
時間が刻々と過ぎていく中、何度もスマホを手に取った。
彼から連絡はないとわかってるのに、着信がないのを確認して消沈する……さっきからその繰り返しだ。
振り返るまでもなく、今年も実りのない一年だった――。
休暇に入ってから大晦日まで、私は苦い思いでこの一年を振り返りながら、自分の荷物をまとめた。
なにかに集中していないと、戻ってこない霧生君を気にして、塞いでしまいそうだった。
大晦日当日は、午前中から食材の買い出しに出かけた。
もちろん、彼に約束した手料理を振る舞うためだ。
私が作る料理とは、洗い物が少なく短時間で手早く作れる……ワンプレートと言えば聞こえがいい丼物ばかり。
全部作るなんて言ったけど、まさか全部丼で用意するわけにもいかない。
ご飯を炊き、普段は上にのせる具材を、それぞれお皿に盛りつけた。
ダイニングテーブルにズラッと並べてみると、ほぼ茶色一色。
霧生君が作ってくれたのと比べたら、色気も素っ気もない。
それでも午後六時には、二人で最終日を納める準備を完了した。
私はリビングのテレビを点け、ダイニングテーブルのいつもの席に腰かけた。
途中、紅白歌合戦にチャンネルを合わせてBGMにしながら、霧生君の帰りを待った。
時間が刻々と過ぎていく中、何度もスマホを手に取った。
彼から連絡はないとわかってるのに、着信がないのを確認して消沈する……さっきからその繰り返しだ。