"密"な契約は"蜜"な束縛へと変化する
お腹一杯食べた後、まだ時間に余裕があったので駅ビルのショップを探索する。
「すっかり春物ですね」
樋口さんと親密になったのは二月の初めだった。あれから時は流れて、三月も中旬。春色系の淡い色の洋服や雑貨などが並ぶようになった。
春らしい桜モチーフの可愛いイヤリングが目に留まる。桜の花に葉をイメージした緑のビーズをあしらったイヤリング。可愛いけれど仕事中はつけられないし、つける時がないかな……。
「コレ、萌実さんに似合いそうですね。私に買わせて下さい」
雑貨屋さんの前で足を止めてしまい、樋口さんに桜のイヤリングを眺めていたのを知られてしまった。私、そんなに欲しそうにしてたのかな?
「ひ、樋口さん、さっきもお金払ってもらったし、大丈夫ですからっ」
「別に良いじゃないですか。萌実さんとお付き合いしてるんですから」
樋口さんは桜のイヤリングを手に持ち、会計しようとしたので、私は阻止しようとした。その時、レジの方から「え? ヤバッ」と言う声が聞こえた。
「坂口さん……?」
「ひ、樋口先生、こんばんは。……えと、お買い物ですか?」
「そうですけど。坂口さん、無許可なバイトは禁止だと前にも言いましたよね?」
「そ、そうでしたっけ? あはは、私、忘れてました!」
レジの担当の女の子は小柄で髪が少し明るめで、あっけらかんとしてバイトを誤魔化している感じだった。樋口さんを先生と呼んでいるし、話の内容的にも花鈴高校の生徒だと考えられる。
「すっかり春物ですね」
樋口さんと親密になったのは二月の初めだった。あれから時は流れて、三月も中旬。春色系の淡い色の洋服や雑貨などが並ぶようになった。
春らしい桜モチーフの可愛いイヤリングが目に留まる。桜の花に葉をイメージした緑のビーズをあしらったイヤリング。可愛いけれど仕事中はつけられないし、つける時がないかな……。
「コレ、萌実さんに似合いそうですね。私に買わせて下さい」
雑貨屋さんの前で足を止めてしまい、樋口さんに桜のイヤリングを眺めていたのを知られてしまった。私、そんなに欲しそうにしてたのかな?
「ひ、樋口さん、さっきもお金払ってもらったし、大丈夫ですからっ」
「別に良いじゃないですか。萌実さんとお付き合いしてるんですから」
樋口さんは桜のイヤリングを手に持ち、会計しようとしたので、私は阻止しようとした。その時、レジの方から「え? ヤバッ」と言う声が聞こえた。
「坂口さん……?」
「ひ、樋口先生、こんばんは。……えと、お買い物ですか?」
「そうですけど。坂口さん、無許可なバイトは禁止だと前にも言いましたよね?」
「そ、そうでしたっけ? あはは、私、忘れてました!」
レジの担当の女の子は小柄で髪が少し明るめで、あっけらかんとしてバイトを誤魔化している感じだった。樋口さんを先生と呼んでいるし、話の内容的にも花鈴高校の生徒だと考えられる。