因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
いつもは厳かに香る白檀が、私たちの肌の間で熱せられ、また別の新しい香りになって、部屋中に漂う。
私はこの香りを嗅ぐたび、初めて光圀さんと求め合ったこの時間を思い出してたまらない気持ちになるだろう。
「光圀さん、好き……っ」
意識がどこかへ行ってしまいそうなほどの快感とともに気持ちがあふれ、彼にギュッとしがみついて愛を伝える。
「ああ。俺もだ……。愛してる、和華」
愛おしげな目をして甘く囁いた彼は、それからくぐもった声で短く呻き、私の中で果てた。
乱れた呼吸で上下する背中には、びっしりと汗が浮かんでいる。
「……初めて見たかもしれません。光圀さんが、こんなに汗をかくところ」
「俺も初めてだよ。自分以外の人間に、こんな一心不乱なところを見られるのは」
光圀さんは少しばつが悪そうに呟いて、私の上で脱力する。
なんとなくわかる気がした。光圀さんは、一生懸命なところを他人に見せない人だ。
誤解されやすい部分もあるけれど、本当は誰より努力家で、熱い心の持ち主でもある。
「私だけが知っているんですね。本当の光圀さんを」
私はそう言って、汗にしっとり濡れた彼の髪を撫でる。単純な優越感だけでなく、光圀さんが本当の自分を見せてくれたことが、名実ともに妻になれた証拠のようでうれしい。