因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
長い間唇を合わせた後、光圀さんは少し気まずそうに口元を手で覆い、私から目を逸らした。少し、頬が赤い。
「突然すまない。口づけは〝強引な真似〟に入るのか確認していなかったのに、気づいたら体が動いていた」
「わ、私は大丈夫です。その、キスまでなら慣れてきましたし……前に光圀さんも言ってくれたじゃないですか。夫婦なんだからキスして謝る必要ないって」
あの時は私から、唇がぶつかっただけみたいな幼いキスをした。でも、それをきっかけにゆっくり、私たちの心は近づいてきた。
夫婦にとって、キスはきっと大切な愛情表現だ。
「光圀さん」
私は彼の丹前の袖をきゅっと掴んだ。こちらを向いた彼は未だ気まずそうな顔をしているが、遠慮がちにお願いする。
「これからは、一日一回以上キスをする……っていうルールを作るのはどうですか?」
光圀さんの目がわずかに見開かれ、彼は沈黙した。
急に大胆すぎたかな? それとも頻度が多すぎる?
自分で言い出しておきながら、内心羞恥でいっぱいになる。
「一回以上、というのは、一回でも百回でもいいということか?」
真剣な目をして、光圀さんが聞く。
質問の意図がよくわからないが、私は頷いた。