因縁の御曹司と政略結婚したら、剝き出しの愛を刻まれました
その日から、兵吾くんは貴英の特別な人。
長い歴史を紡いで夫婦になったふたりが、ちょっと羨ましい。
「私も、貴英たちみたいに心の深いところで繋がってる夫婦になりたいなぁ」
「そうねぇ。それなら、まずは体を繋げてみるのが手っ取り早いと思うけど」
「いやいや、心って言ったじゃん……っ」
「そうは言っても、体と心って深く結びついてるのよ。ま、和華がまだだと思うんなら、今は焦らず、会話と軽いスキンシップで旦那様との仲を深めるのがいいのかもね」
さすがは貴英。幼い私とは全く違う余裕たっぷりな笑みで、励ましてくれる。
と、その時、肩から下げたサコッシュの中で、スマホが短く振動したのに気づく。
取り出してみると、光圀さんからの写真とメッセージが届いていた。
【今夜のケーキを取りに行ってきた】
そんな短い文章の下に、写真が添えてある。
撮影場所はおそらく、醍醐家の食堂。そのテーブルに、有名な洋菓子店のロゴが入ったケーキボックスが置かれた一枚だった。
箱だけで中身は見えないけれど、もしかしてクリスマスケーキ?
返信の内容を考えていると、また新たにメッセージが届く。