婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
絶句して急に涙を流した私に慌ててディアナが隣に座り込みました。
「ごめんなさい。泣かせるつもりはなかったのよ。責めているわけではないわ」
背中をさすりながら謝ってくれます。
分かっています。ディアナは理由を聞きたいだけ。私が勝手に泣いたのよ。彼女は悪くない。
「相応しくないと思ったの。だから、お断りしたのよ」
涙を指で拭って答えました。ハンカチで残っていた涙を優しく拭いてくれるディアナ。
「どこが相応しくないの?」
「すべてよ。何もかもが相応しくないと思ったの。レイ様に私は似合わないわ」
「そう。すべてなのね。フローラはそう思うのね」
確かめるように反芻するディアナに私はこくんと頷きました。
レイ様への気持ちと結婚は別だと思うから、承諾してはいけないと思ったのよ。