婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
 
 ようやく平静さを取り戻した頃に

「フローラに自信を持てというのは、今は酷なことなのかもしれないわね」

 鼓膜に響いたディアナの声に、じっと耳を傾けました。
 自信喪失している私には到底できることではありません。何をどう誇ればいいのかわからないのだから。

「フローラに必要なのはレイニーを信じること。それから、自分の気持ちを大事にすることが幸せになる近道だと思うわよ」

「レイ様を、信じること?」

「そうよ。レイニーはあなたが好きなのだから、それを信じなさい」
 
 私はディアナを見つめて頷きました。

 信じることならできるかもしれません。

 レイ様の笑顔が思い浮かんで、仄かな光が差し込んだような温かい気持ちになりました。

 
 
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