婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
きゃー。うそ。そこから?
私は真っ赤になりすぎた顔を覆いました。
恥ずかしい。恥ずかしすぎるわ。あの時の私はどうかしてたんだと思うわ。
私を見下ろすレイ様の忍び笑いが聞こえてきて、ますます顔が上げられない。
「やっと、思い出してくれた?」
レイ様が後ろに座った気配がして、顔を覆ったままの私の背中をそっと抱きしめました。お腹に回された腕と背中から伝わる温もり。
「あ、あの」
なんて言ったらいいの?
「ローラ、可愛い」
あっという間に膝に乗せられてしまいましたが、顔は恥ずかしくて見せられなくて覆ったまま。
「顔を見せて?」
レイ様の手が重なりはがされてしまったけれど、やっぱり顔を見られたくなくてレイ様の首元に顔をうずめてしまいました。だって、レイ様をまともに見れないのだもの。
「これだけ往生際が悪いと身に覚えあるよね?」
耳元で囁くレイ様の声にびくりと肩が動きました。