Purity ~君を救える術があれば~
 テーブルに朝食を並べると、純ちゃんは少し驚いたようだった。
「これ…全部、純くんが作ってくれたの?」
「うん、大したものではないけど。てか、勝手に食材使ってゴメンな」
「それはいいの。嬉しい…。こんな風に誰かが朝食作ってくれるなんて、いつ以来だろう」
 僕たちは、向かい合って朝食をとった。
「今日は結構遠くまで行く予定だから、ちゃんと食べて力つけないと」
「ねぇ、一体何処に行くつもりなの?」
「お楽しみだよ。電車に揺られる時間の長さだけは、覚悟しといて」
 純ちゃんは不思議そうにしているが、それ以上は尋ねなかった。
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