囚われの令嬢と仮面の男
ーー『そもそも十六年前。ローダーデイル伯爵がたった九歳の少年に手をかけたのは、マリーン……キミと親しくしていたからじゃないんだ』
エイブラムが囚われる直前に言っていた台詞を、今さらになって思い出していた。
だったら、どうして……?
どうしてお父様は、たった九歳の少年に罰を与えようと考えたの?
ハァ、と息が切れた。黒い土の中に足が埋まり、耳の後ろや首元から汗が滲んだ。
どこまで掘り進めるべきか、判断がつかないけれど、せめてシャベルの柄の半分が埋まるぐらいまでは頑張ろう。
スコップ部分が隠れる深さまで掘ったところで急に土が硬くなった。暗くてよくわからないが、ガーデニング用の土ではない地面なのだろう。
額に浮かぶ汗を拭い、先ほどより硬い地面にスコップの先端を突き刺した。足の裏を使って押し込み、掘った土を持ち上げては側に放る作業を数回繰り返した。
やがて柄の四分の一が埋まる深さまで掘り起こし、異物の存在に気がついた。
シャベルを足元へ置き、花壇ブロックの側にあるランタンを持ち上げる。掘った穴を念入りに確認した。
息を切らしながら深くなった穴に手を伸ばし、異物にかかる土を取り払った。
エイブラムが囚われる直前に言っていた台詞を、今さらになって思い出していた。
だったら、どうして……?
どうしてお父様は、たった九歳の少年に罰を与えようと考えたの?
ハァ、と息が切れた。黒い土の中に足が埋まり、耳の後ろや首元から汗が滲んだ。
どこまで掘り進めるべきか、判断がつかないけれど、せめてシャベルの柄の半分が埋まるぐらいまでは頑張ろう。
スコップ部分が隠れる深さまで掘ったところで急に土が硬くなった。暗くてよくわからないが、ガーデニング用の土ではない地面なのだろう。
額に浮かぶ汗を拭い、先ほどより硬い地面にスコップの先端を突き刺した。足の裏を使って押し込み、掘った土を持ち上げては側に放る作業を数回繰り返した。
やがて柄の四分の一が埋まる深さまで掘り起こし、異物の存在に気がついた。
シャベルを足元へ置き、花壇ブロックの側にあるランタンを持ち上げる。掘った穴を念入りに確認した。
息を切らしながら深くなった穴に手を伸ばし、異物にかかる土を取り払った。