囚われの令嬢と仮面の男
浴室のほうへ歩き、扉を開けてすぐの棚を見る。布が二枚置いてある。体を拭く大きめのサイズと、顔を拭く小さめのサイズの二種類だ。
「うん? なにかしら」
上に置いた小さめの布が少しだけ盛り上がっている。布の間に何かが挟まれているのだとわかり、それをめくった。
瞬間、顔から火が出るかと思った。
肌着であるシュミーズと白地のコルセットを見て、「最悪」とひとりごとがもれた。デザインや趣味の話ではなく、そのサイズが今付けているものと相違ないのだ。
こんなデリケートなことまで知っているの? それとも想像?
どっちにしても最悪なことには変わりない。
もう何度目かのため息をこぼし、足が何かにぶつかった。
浴室の扉の前に置いてあった籐で編まれたカゴだ。こちらも蓋を開けて中を確認する。
私が普段着ているデイドレスが一着とウエストを締めるタイトなコルセット、寝るときに着る薄いネグリジェが二着用意されていた。言うまでもなく、サイズも合っている。
「なんなのよ、あの男……」
得たいも知れない男に、こうも自分のことを知られているのが正直なところ、気持ち悪い。
私は籐カゴに蓋をして浴室を離れた。
「うん? なにかしら」
上に置いた小さめの布が少しだけ盛り上がっている。布の間に何かが挟まれているのだとわかり、それをめくった。
瞬間、顔から火が出るかと思った。
肌着であるシュミーズと白地のコルセットを見て、「最悪」とひとりごとがもれた。デザインや趣味の話ではなく、そのサイズが今付けているものと相違ないのだ。
こんなデリケートなことまで知っているの? それとも想像?
どっちにしても最悪なことには変わりない。
もう何度目かのため息をこぼし、足が何かにぶつかった。
浴室の扉の前に置いてあった籐で編まれたカゴだ。こちらも蓋を開けて中を確認する。
私が普段着ているデイドレスが一着とウエストを締めるタイトなコルセット、寝るときに着る薄いネグリジェが二着用意されていた。言うまでもなく、サイズも合っている。
「なんなのよ、あの男……」
得たいも知れない男に、こうも自分のことを知られているのが正直なところ、気持ち悪い。
私は籐カゴに蓋をして浴室を離れた。