島の家を相続した!!

占ってもらっていいですか。

島の美容院で
カットされたわたし。

意外に今っぽくカットで
スッキリした後。

叔母の家で留守番をしていた
妹に、
散々遅いと文句を
言われながらも、
タクシーで移動して

只今
ホテルのラウンジでネット検索。

ちなみに
さすがにグループ観光ホテル。
広い。
綺麗。
オーシャンビューな部屋!!
ラウンジは、
お洒落なソファーテーブルに、
ブックコーナー完備。

飲み放題のジュースや、
カフェ類があるのはもちろん。

ついでにいえば、
ホテルには露天風呂や大浴場が
わんさかある。

プールに釣り堀、ドッグラン。
渡し舟で遊覧も出来て、
毎年泊まっても飽きない。
実は、この島、
かなりの
レジャーアイランドなのだ。

さて、
画面を睨みながら、

叔母の家の名義変更や、
相続手続き、
口座残金などの移行etcを
お願いする事務所を検索しつつ、

ホテルに持ち込んだ
紙袋を漁った。

遺品整理で集められた書類達で、
そこから
固定資産納税書類を探しだす。

「あった!!やっぱり。年間
2万円だわ。恐ろしく安い。」

美容院での情報に間違い無いと
確認。
とはいいつつも、
維持費や火災保険なども考えると
どうなるだろうか、、

「あー、気持ち良かったー。
おねえも露天行ってきたらー?」

呑気にオレンジジュースを
サーバーからグラスに注ぐ妹。
さっき
1人、風呂へ入ったクチだ。

そんな妹を尻目に、
自分達が今住む街で、
島の名義変更と遺産整理を
出来るかの依頼を、
それっぽい事務所ホームページを
見つけては、
メールする。

直接電話をしたりもした中、
結局行き当たるのは、
『叔母の家をどうするつもり』
なのか?だ。

「とりあえず家に戻ってから、
親父さまと要相談だね。
あと軍資金調達にも、保険金を
請なきゃどうにもならないわ!」

2人しかいないラウンジで、
大きく伸びをして
わたしが叫ぶと、

「おねえ、でも親父さまは、
どーでもいいって、言うよ。
あたし達で決めさせられる。」

妹が、なかなか的を得たことを
進言してくる。

全くその通りなのだ。
でなければ、ホテルで娘達が
こんなに悩んでいない。

「どうするか、、」

とにかく、明日の朝1番に
役所へ行って、
父と叔母の関係を記した
謄本をとらなくてはいけないのは
決まりだ。

「どっちにしても、軍資金だ。」

謄本がないと保険金手続きが
出来ない。
保険とはいっても妹叔母が、
易々と
保険会社の更新知らせを
渡しただけあって、
せいぜい200万ぐらいだろう。

なにせ掛け金が600円と
更新金額が鬼安いのだ。

そうでなければ、
あの妹叔母は保険金も
懐にしまったはずだ。

それでも、200万と
最後に振り込まれた年金の50万。
信託預金40万で290万。

悪いが父には葬儀代は返せない。
なにせ、これが
なけなしの軍資金となる。

「これから証券を探すとして、」

行政書司を探すのも早急。
でないと銀行口座や
有価証券の整理、名義等が
滞る。

そして、

結局
最後に島の家をどうするか?

「おねえ、先生とこは?」

うんうん唸る、
わたしを見て

マッサージチェアで
寛ぐ妹が、ブルブルしながら
ひとつ提案してきた。

「R先生かあ、、」

R先生とは、

占いの先生だ。
占い師を教えている
占いの先生の先生。

そして我が家では、
絶対的信頼を得ている
R先生でもある。

なにせ、
友達の旦那を占った際に、

『あー、旦那。中国に子ども、
いてるわ。不倫調べなさい。』

と海外に子どもの存在を
占いで焙り出し、
調べた弁護士が腰を抜かした
という神業を見せ、

『娘の彼氏、東京に娘を誘ってる
わね。ダメ。娘はそこでノイロ
ーゼ になって壊れるわよ。』

娘の彼氏の存在さえもしらない
親に、
彼氏からの同棲申請の予言と、
その顛末をズバリ当てた
人物。

なるほど。

「そうだね。
こういう時こそ、先生とこね!」

わたしは妹に大きく頷いて、
さっそく、
R先生にアポを取った。

先生に連絡は
いたって、簡単。
LINE一本なのだ。

「そろそろ来ると思った。」

そんな謎言葉を返信されて、

わたしと妹は

次の日、
役所で家系図を紙に書き出し、
鬼戸籍の試験を口頭で
答えさせられて、
ようやく謄本を取った。

その足で、

占い師、R先生のいる
ゼロ磁場地域に向かったのだ。

< 12 / 26 >

この作品をシェア

pagetop