彼がデキ婚するので家出をしたらイケメン上司に拾われました。
ロッカーはドラマとかで借金が焦げついて取り立て屋にドアにビラをたくさん貼られている、そんな状態になってきた。ただ、付箋はカラフルなのでちょっとしたアートのようにも見える。

いつものように写真をとていると、営業部の女性が入ってきた。

「大丈夫?」

「え?」
まさか、心配するような言葉をかけられると思っていなかったのでつい疑問符になってしまった。

「何だか悪質だよね。これやったの他部署の子でしょ、相馬さんのことを知らない人だと思うから」

どうしよう、何だか涙が出そうになる。でも、ここで泣いたらくだらない嫌がらせに屈するような気がして精一杯の虚勢を張る。

「平気、私には身に覚えが無いし、私が貼ってるわけじゃないから私が片付ける義理はないと思って。ただ、写真だけは撮ってるの」

「そう、何かあったら言ってね」

わかってくれる人がいる、それってすごい力になる。

社内では時々、クスクスという笑い声が聞こえるが今は金曜日のことだけに集中したい。


付箋はいつまで続けるのかわからないけど、これが備品の付箋だとしたら“使用窃盗”にあたらないのかしら?

今夜、田中弁護士が来るから聞いてみようかな。


< 121 / 137 >

この作品をシェア

pagetop