彼がデキ婚するので家出をしたらイケメン上司に拾われました。
<一緒にいたい>
「この庭、花や野菜以外に木を植えたいと思ってるんです。」
「たとえば?」
「甘夏とかならマーマレードにできるし、金柑とかだとジャムや甘露煮もいいし、ブルーベリーとかもいいなって思ってます。ただ、木だと安定するまで5年くらいはかかりそうだから私はもうここにいないかも知れないんですけど。だから、植えてもいいか確認しようと思ったんです」
「5年後もここに相馬がいてくれると俺は嬉しい。相馬は俺をいい人だと言ったが、実際は弱っている相馬に付け込んでいる悪い奴なんだよ」
5年後もいてくれると嬉しい?
え?
自惚れてもいいのかな?
どう答えていいのかわからず黙っていると諏訪さんは私の顔をみて微笑んだ。
「3年前に俺が課長に昇進して相馬が補佐をしてくれるようになって、一緒に仕事をしていくうちに惹かれていったが、その頃、俺は付き合っていた人がいたし、相馬への気持ちは綺麗に捨てたはずだったんだが、彼女と別れることになって相馬と距離を縮める方法を模索しているうちに相馬には恋人ができて、結局俺は相馬とは仕事以外では交わることのない人間なんだと諦めたんだ」
え?じゃあ、諏訪さんを好きになっていいの?
悠也と別れたばかりなのに?
「見るからに婚約指輪のようなものを薬指につけていたときはかなりキツかった。この家の庭のような気持ちだったよ」
荒れてたってこと?
「ところがあの日、相馬の様子が明らかにおかしかった。だから、思い切って誘って話を聞いたときはチャンスだと思ったんだ。だから、俺はいい人じゃない、狡い男なんだ」
「でも、私は悠也と別れたばかりで。諏訪さんに都合よく乗り換えるみたいな事」
諏訪さんは私の頬を掌でなぞる。
「もう俺は、我慢したり遠慮したりしてチャンスを逃したくない。俺は相馬が好きだし、元婚約者を忘れるために都合よく使ってくれて構わない。相馬が俺のことを恋愛対象に見てくれるまで待ってもいい」
そんなの「狡い!」
思わず声が出てしまった。
「ああ、だから俺は狡い男だって言ったろ」
「好きにならないわけ無いじゃない」
思わず本音が漏れてしまった。
諏訪さんは頬を撫でていた手に力を入れると精悍でありながら甘いマスクが近づいてくる。
二重がくっきりしてる。
鼻が高い。
まつ毛が長い。
思ったより、唇が柔らかい。
んっ
軽く触れるだけのキス
唇が一度離れてから今度は上唇を甘噛みされてから舌がゆっくりと入ってくる。
抱きしめられて巧みなキスに酔っていると
きゅるるるるるる
すっごくいい雰囲気で、感動のシーンのはずだったんだけど。
「夕飯、何にする?」
諏訪さんは笑いを堪えて聞いてきた。
「たとえば?」
「甘夏とかならマーマレードにできるし、金柑とかだとジャムや甘露煮もいいし、ブルーベリーとかもいいなって思ってます。ただ、木だと安定するまで5年くらいはかかりそうだから私はもうここにいないかも知れないんですけど。だから、植えてもいいか確認しようと思ったんです」
「5年後もここに相馬がいてくれると俺は嬉しい。相馬は俺をいい人だと言ったが、実際は弱っている相馬に付け込んでいる悪い奴なんだよ」
5年後もいてくれると嬉しい?
え?
自惚れてもいいのかな?
どう答えていいのかわからず黙っていると諏訪さんは私の顔をみて微笑んだ。
「3年前に俺が課長に昇進して相馬が補佐をしてくれるようになって、一緒に仕事をしていくうちに惹かれていったが、その頃、俺は付き合っていた人がいたし、相馬への気持ちは綺麗に捨てたはずだったんだが、彼女と別れることになって相馬と距離を縮める方法を模索しているうちに相馬には恋人ができて、結局俺は相馬とは仕事以外では交わることのない人間なんだと諦めたんだ」
え?じゃあ、諏訪さんを好きになっていいの?
悠也と別れたばかりなのに?
「見るからに婚約指輪のようなものを薬指につけていたときはかなりキツかった。この家の庭のような気持ちだったよ」
荒れてたってこと?
「ところがあの日、相馬の様子が明らかにおかしかった。だから、思い切って誘って話を聞いたときはチャンスだと思ったんだ。だから、俺はいい人じゃない、狡い男なんだ」
「でも、私は悠也と別れたばかりで。諏訪さんに都合よく乗り換えるみたいな事」
諏訪さんは私の頬を掌でなぞる。
「もう俺は、我慢したり遠慮したりしてチャンスを逃したくない。俺は相馬が好きだし、元婚約者を忘れるために都合よく使ってくれて構わない。相馬が俺のことを恋愛対象に見てくれるまで待ってもいい」
そんなの「狡い!」
思わず声が出てしまった。
「ああ、だから俺は狡い男だって言ったろ」
「好きにならないわけ無いじゃない」
思わず本音が漏れてしまった。
諏訪さんは頬を撫でていた手に力を入れると精悍でありながら甘いマスクが近づいてくる。
二重がくっきりしてる。
鼻が高い。
まつ毛が長い。
思ったより、唇が柔らかい。
んっ
軽く触れるだけのキス
唇が一度離れてから今度は上唇を甘噛みされてから舌がゆっくりと入ってくる。
抱きしめられて巧みなキスに酔っていると
きゅるるるるるる
すっごくいい雰囲気で、感動のシーンのはずだったんだけど。
「夕飯、何にする?」
諏訪さんは笑いを堪えて聞いてきた。