君と過ごした最高な日ー残り1ヶ月の恋ー

淋side




試合が終わってみみのとこに行く。

知里が、見当たらない。

「あれ?知里は」

「先輩に連れていかれちゃった……」

「どこに?てか、先輩って?」

「確か……生徒会長」

「アイツかー!」

隙もねぇや。

「で?どこに、行った?」

「どこだろ……誰もいない方に歩いてったのかな?ハッキリとは、分からない」

「そうか、ありがとう」


俺は、知里を探しに体育館を後にした。

誰もいないとこ?

教室か?それとも……体育館裏とか。


俺は、生徒会長が行きそうな場所に行く。


ん?知里……?その隣には……生徒会長だ。


案の定、体育館の裏に居た。


ソイツは、俺を見た。

知里もこっちを見ている。




「じゃあ、」

ソイツは、知里の肩を叩いて俺が居る方に歩いて来た。

「お前が、彼氏?」

声のトーンが、低い。

俺は、負けじとソイツに言う。

「それが、なんですか」

「知里ちゃん、俺が堕とすから。覚悟しとけ」


そう俺に告げ去っていった。




俺は、知里に駆け寄る。

「大丈夫か!」

「うん。助けてくれてありがとう。ねぇ」

「ん?」

「なんて、言われてたの?さっき」

俺は、「何もないよ」と答えた。

言うまでもない。

「戻ろ」

「うん」


俺は知里と、体育の中に戻って行った。



その時は、無事に何も無く体育祭は終わった。

だが、あれ以来ソイツは知里に必要以上に話しかけている。

俺の……なのに。


ちなみに、クラスマッチは知里とみみとクラスの半分も出なかった。

知里は、生徒会長の件だと思う。

クラスマッチに出ない理由は。


クラスマッチを終えて俺は明と一緒に教室に戻っていた。


教室に入るないなや。みみが俺に話しかけてきた。

「淋、知里を助けてあげて?」

その言葉をすぐに察知した。

「言われなくとも」


俺は、知里の近くに行って頭をポンと優しく撫でた。


と、その時だ。アイツが教室にやってきた。


「あ、いたいた」


ソイツは、教室に入ってきた。


「知里ちゃん、来て?」

「先輩」

俺は、気づくとソイツを止めていた。


「あ”ぁ”」


「?!」


ソイツは、俺に向かって声のトーンを低くした。

その場に居た誰もが氷ついた。


「知里ちゃん」

声のトーンが戻っている。



だけど、あれから1時間ぐらい経ったとき、知里は、1人で戻ってきた。


「何も、されなかったか?」

「……」

それには、何も反応はなかった。


「淋」

「ん?」

「私は、淋一筋だよ」

「ど、どうしたよ。急に」

「何となく、言ってみたかっただけだよ」

知里は、頬を赤らめた。


俺は、ホットしている。




それから、何度目かの3月。

生徒会長は、卒業して平和の時間となったのだった。




< 14 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop