★.:* ◌𓐍𓈒 LAST シンデレラ 𓈒𓐍◌ *:.★~挙式前夜に運命の出逢い~
 私は、これ以上情報漏洩しないようにと思う反面、不思議と彼には全て打ち明けてしまいたくなる。

 同じ想いを共有してる安心感、変な一体感からかな?

 その後、再び無言の時が流れるが、ふと私をチラ見した彼に気づき視線を移すと、ニヤッと口角を上げて私を見た。

「東京、京都どっちがいい? って知ってる? ……知らないか、平成の若い子は」

全く意味わからず頷くと、更に楽しげな表情を見せた。

「昔、この山の麓に東京と京都ってホテルがあって、女誘う時の口説き文句。……っていうジョークね。さすがにもうないだろうな。タダでも勘弁なくらい両方ボロいホテルだったし」

 ……ってことは両方利用したの?

 私は、いきなりの下ネタが恥ずかしくて焦って話題を変えようした。でもふと、京都イコール清水寺がイメージの私は"清水の舞台から飛び降りる"ということわざを思い出した。

 そのことわざの意味は"思い切って大きな決断をする"という意味。

「京都。清水寺の夜景が見たいです。……あ、いや本当に飛び降りた人いるかな?」

 でもテンパってつい京都ネタにのってしまう。

「ごめんごめん、緊張してそうだったから。いるらしいよ。清水寺か……懐かしい。…………行ってみる? ……このまま2人で」

「…………はい」

 彼のドキッ! とする流し目と色気ある低音ボイスに堪らなく心惹かれ、冗談と知りながらも本気で頷いた。本気で連れ去ってほしい……そう願いながら。

 彼は、そんな私を強い目で見つめ返し、信号が青になると静かに車を発進させた。

 ……互いに無言のまま何とも言えない緊張感が漂い始めた。

「……ごめんなさい。冗談です」
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