キミの魔法にかけられた~隣のデスクの無愛想な後輩が急接近してきて!?~
「え?」
「大丈夫。全部、先輩の本当の実力だから」
甲斐くんの声のトーンは普段では考えられない程、穏やかで優しいものだった。
「ど、どういう意味?」
「先輩のいいところは、要領悪くて抜けてるのに、真面目で丁寧で、手抜きをしないところ」
頭に乗せられる手は、当たり前だけど男の人の手をしている。
なんだろう、独特な甘い香りが伝わってくるから、胸がおかしい位に激しく脈打った。
「え……、ねぇ。それは、けなしてるの?」
「すぐ人の事信じちゃって、騙されやすそうな所も魅力的ですよ」
「は、はぁ?」
どうしよう。凄くドキドキする。
甲斐くんの真っ黒な瞳が純粋に私を捉えるから、目を反らす事なんて出来ない。
まるで、身体を止める魔法をかけられたみたい。
「……好きですよ」
甲斐くんとの距離がゆっくりと縮まって、柔らかい唇が重なった。