海であなたが救ってくれました
「もうね、毎日うるさいんですよ。琉花さんの連絡先をなんで聞かなかったんだろう~とか、運命的な出会いだったのに~とか、ずっと言ってて落ち込みようがハンパないし」

「おい、やめろって!」


 いい加減、口を閉じてくれとばかりに由稀人くんが制止しようとしても、彼女の暴露は止まらない。


「こんなふうに悩んでる霧矢は初めて見ます。コイツ、モテますけど女関係はクリーンなんで」


 彼が紳士で真面目なのは知っているつもりだ。ポジティブなのも、やさしいのも。


「由稀人くんがていねいに生きている人だっていうのは、初めて会った日にわかりました」


 もうすでに私は由稀人くんに恋心を抱いている。
 本人を目の前にそれを自覚すると、彼の赤面が移ったように私の顔も熱くなり、途端に恥ずかしさがこみあげて視線を足元に下げた。


「琉花さん、これを俺に?」


 由稀人くんがペーパーバッグの中身を覗き込んで、なにが入っているのかを気にしている。


「お昼ご飯にと思って。たいしたものじゃないの。口に合わなかったらごめん」

「え?! 作ってくれたの?」


 小さくうなずけば、彼はパッと花が咲いたように笑った。綺麗な笑顔だ。
 そして、私がお弁当と一緒に入れておいたカードに気づき、それを手に取って眺めた。

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