海であなたが救ってくれました
「ごちそうさま。うまかったー! これで午後の潜水訓練もがんばれる!」


 お弁当をペロリと全部平らげた彼は、小さく両手を合わせ笑みを浮かべている。
 この笑顔を見られたなら、私も作った甲斐があった。


「ほんとにめちゃくちゃ料理が上手だなぁ」

「私の唯一の取り柄だもん。これからは由稀人くんのためにたくさん作るね」


 私は食べるより作るほうが好きだから。その点、由稀人くんとは相性がいいと思う。
 彼のおかげでさらに料理が上達しそうだ。


「今日仕事終わったら……俺が琉花さんに会いに行く」

「午後は潜水訓練でしょ? 疲れない?」

「大丈夫。ていうか、会いたいんだよ!」


 そんなにストレートに気持ちを言葉と行動で表されるとうれしくて、ついニヤけてしまう。
 彼はほかの人と比べて体力が並外れているのだろう。私としては仕事のあとは休ませてあげたいのだけれど。

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