赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


プリンセスが出てくる童話を読んでもらえば『美織もこんな大きいダイヤの指輪もらって結婚したい』と言い、イタリアがブーツの形をしていると知れば『ここに行きたい!』と言った。

ぼんやりそれは覚えてはいる。
だけど、そんなものは〝大きくなったらお姫様になりたい〟という幼児の夢と同じレベルでしかないし、当時の私だってどこまで本気だったかなんてわからない。

今の私に至っては、すっかり忘れていた。

「全部、覚えてくれていたんですか……?」

まさかそんな、と信じられない思いで聞いた私に、匡さんは「いや、正直俺も忘れていたものも多い」と答えた。

「美織がそんな夢を口にしていたのは幼い頃だし、当時は俺も覚えておこうとも意識していなかった。でも、挙式のプランを考え出したり、新婚旅行の候補地を決めようと思ったとき、不思議と思い出したんだ。美織がそんなことを言っていたと」

私に視線を向けた匡さんが「叶えられる程度の夢でよかった」と笑うので、ポカンとしてしまう。


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