赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


そう考え……当たり前に〝幸せ〟だという言葉を当てはめた自分にハッとした。

匡さんとの誤解が解けるまでの、何度も何度も無理やり自分に押し付けていたときとはまったく違う。

まるでそこにあるのが当たり前だと言わんばかりにふわふわと胸の中心に浮かんでいる〝幸せ〟という感情に気付き、唇をかみしめた。

『幸せ幸せって、なんか自分に言い聞かせるための呪文みたいっすね』

いつか相葉くんに言われた言葉が頭をよぎる。

あのときの私にとっては、本当に呪いだったのかもしれない。無理やりそうだと思い込もうと必死だった。

でも、今は――。

「匡さん」

呼びかけると、匡さんがゆっくりとこちらを向く。
やっぱりどこからどう見てもカッコいいなぁと思いながら笑いかける。

「私、本当にすごく、たぶん世界で一番幸せなので、今ならなんでもできそうです」

笑顔で告げると、匡さんは少し呆けた顔をした後「そうか。奇遇だな」と呟き、視線を一度会場に戻す。

そして、私に近付くとキスする直前で言った。


「俺もだ」

優しく目を細めて言われた言葉に、私の幸せは世界一どころの話では済まなくなるのだった。








END



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