赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました


「素直に礼くらい言えないのか」

その態度に見かねた匡さんが口を挟むと、麻里奈ちゃんは眉を寄せる。

「別に言えるし。っていうか、匡くんこそ麻里奈へのプレゼント手抜きすぎだからね。毎年同じような花束ばっかりじゃん。美織さんは匡くんにべた惚れだから何も言わないかもしれないけど、プレゼントって女性にとっては大事だって覚えておいた方がいいよ」

実際に、今年のプレゼントもここに向かう途中の花屋で金額を伝え『適当に』とオーダーした花束なので何も言えずにいると、匡さんは面倒くさそうにため息をつく。

「それくらい言われなくてもわかってる。それより、私立大学への編入が決まったんだろ。学業に専念してうちへの出入りは減らせよ」
「そんなの麻里奈が決めるし。それに、急に麻里奈が行かなくなったらお腹の赤ちゃんだって寂しがるに決まってる……あ、お花の先生だ。麻里奈ちょっと行くね」

会場入り口に立った四十代ほどの女性を見た麻里奈ちゃんが立ち上がり、そちらに歩いていく。

その様子を見送っていると、ソファのひじ掛けに腰掛けた匡さんが疲れたと言わんばかりに息をはいた。

「出産後もあの調子でこられたら困るな」
「そうですか? 賑やかで楽しそうだなって思いますけど。麻里奈ちゃんももう私に何も言ってきませんし、赤ちゃんが生まれるのを本当に楽しみにしてくれてるので嬉しいです」

滝さんも相葉くんもソワソワしているのがわかるので、それもとても嬉しく感じている。

検診後は、匡さんと麻里奈ちゃん、滝さんに相葉くん、そしてお母さんと電話のタイミングが合えば雅弘おじ様にも説明を求められるので、同じことを言うのが少し大変ではあるものの、それも幸せな限りだ。



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