リスタート〜さよなら、私の初恋〜
『陽向！？やっと出た……』

電話越しに、瞬の焦り、心配、安堵。色々な感情が籠った声を聞いて、申し訳なさが込み上げてきた。

「心配かけて、ごめん」

恐る恐る出したこの声は、きっと震えていた。それでも伝えたいと思った言葉。

『あ、いや……うん』

瞬は、動揺しているように聞こえた。絶対、目が泳いでるな。なんてことを考えたら笑えてきた。

『陽向最近元気ないからさ、ずっと心配してた』

いつもより優しい口調の瞬の言葉は、驚くほど真っ直ぐに私の心の中に入ってきた。瞬、ごめんね。心配してくれてありがとう……。

「私は大丈夫だよ」

私が口にした言葉は半分強がりで、でも半分本心だった。嫌なことも不安なことも怖いこともあるけど、それでも私は「瞬の幼なじみ」だから大丈夫だと思えた。

『……なぁ、今から会えない？』

突然瞬にそう言われて、びっくりした。けど、なぜかすぐに冷静になれた。彼女がいるのに、夜に電話で会いたいとか反則だよ……。
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