リスタート〜さよなら、私の初恋〜
「卒業するまでに告白したかったけど、告白は絶対成功しない。それに、したら距離ができるかもしれない……ねぇ、瞬ならどうする?」

ずっと、ずっと不安だったことを打ち明けて瞬に訪ねた。瞬は、私の言葉になんて返すのかな……。

「……俺、なら……告白するかな。わかんないけど……好きって言ってスッキリしたいし、彼女が居るからって諦めて後で後悔したくない」

ゆっくりと、言葉を選びながら話してる瞬。瞬の言葉に私は、「後悔、か」と呟く。確かに私も、後悔したくなないから、今こうして好きな人がバレるの覚悟で話してるのかもしれない。

「人を好きになるのも、ずっと好きでい続けるのも凄いことじゃん。それを伝えないなんて勿体ない!」

瞬は立ち上がりながら、声を少し荒らげてそういった。瞬のその真っ直ぐなところが、いつも羨ましかった。瞬の言葉に、嬉しくて、悲しくて、切なくて、愛おしくて、好きで好きで好きで堪らなくて涙が込み上げてきた。

「……瞬らしい、ね」

涙を1粒流しながらそう言った私に、瞬は弾けるような笑顔を向けてくれた。
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