リスタート〜さよなら、私の初恋〜
小学生の頃からずっと、瞬のことだけを想ってきた。でもそれも、今日まで。

「私に、好きを教えてくれてありがとう瞬。卒業までの残り少し、私と今まで通り話してくれる?」

涙を沢山零しながら、必死に必死に想いを伝えた。これで私が瞬に言いたいことは全部言い切った。

「っ……。ごめ、俺、陽向の気持ち全然しらなくて……」

ものすごく辛そうな顔でそういう瞬。違う、違う、謝らせたいわけじゃない。そんな辛い顔を見たい訳でもない。この「恋」の最後は、笑顔で終わりたいの……。

「瞬、やめて謝らな」

謝らないで。そう言おうとした私の言葉は、瞬に遮られる。

「ありがとう。俺なんかのことを好きになって、沢山悩んで……こうして今日伝えてくれて嬉しい。本当にありがとう。卒業までは、幼なじみとして今まで以上に陽向のことを笑顔にするって誓います」

さっきの辛い顔ではなく、真剣なかっこいい顔で私に真っ直ぐ投げられた言葉。嬉しさ、悲しさ、切なさ、しんどさ、辛さ、いろいろな感情が混ざりまくっていた。私はただ、ずっと泣いていた。ありがとう、瞬。大好き……。
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