ママの手料理 Ⅲ
そんな事をぼんやりと考えながら、テーブルの前に立った私はそっと透明の箱に手をかける。
鍵でもついているのかと思ったけれど、ただティアラの上に被さっていただけのそれはすんなりと持ち上げる事が出来て。
(えっ、盗みってこんな簡単なの?)
少し拍子抜けしながらもしめしめとほくそ笑んだ私は、透明な箱を地面に置き。
ジェームズさんのお嫁さんが待ち焦がれていた、怪盗mirageが狙っていたティアラを、ゆっくりと手に取った。
「駄目だ紫苑ちゃん!それは罠だ!」
その瞬間、中途半端に開かれたドアの向こうから湊さんの大声が聞こえてきた。
「えっ……!?」
いきなり過ぎて、その言葉の意味が分からない。
(罠?罠って何!?)
ティアラを手にしたままぽかんと口を開けて固まる私と、走って部屋に滑り込んできた湊さんの目が合う。
しかし、彼が私の手を掴むよりも早く、
ガシャンッ………
私と湊さんの間は、上から勢い良く降りてきた鉄格子によって阻まれた。
鍵でもついているのかと思ったけれど、ただティアラの上に被さっていただけのそれはすんなりと持ち上げる事が出来て。
(えっ、盗みってこんな簡単なの?)
少し拍子抜けしながらもしめしめとほくそ笑んだ私は、透明な箱を地面に置き。
ジェームズさんのお嫁さんが待ち焦がれていた、怪盗mirageが狙っていたティアラを、ゆっくりと手に取った。
「駄目だ紫苑ちゃん!それは罠だ!」
その瞬間、中途半端に開かれたドアの向こうから湊さんの大声が聞こえてきた。
「えっ……!?」
いきなり過ぎて、その言葉の意味が分からない。
(罠?罠って何!?)
ティアラを手にしたままぽかんと口を開けて固まる私と、走って部屋に滑り込んできた湊さんの目が合う。
しかし、彼が私の手を掴むよりも早く、
ガシャンッ………
私と湊さんの間は、上から勢い良く降りてきた鉄格子によって阻まれた。