ママの手料理 Ⅲ
ホテルに到着した後、話す余裕もない程疲れきった私達は部屋に直行してそのまま次の日の夕方近くまで爆睡したのである。



それからは、目まぐるしく日々が過ぎていった。


まず、無事にティアラが戻ってきた事でジェームズさんのお嫁さんからは泣きながら喜ばれ、約束通り報酬として3億円を貰う事が出来た。


そして、怪盗mirageが怪盗フェニックスを壊滅させたという第一報が日本のとある新聞の一面を大々的に飾ったその日から、ネット上では強敵を葬り去った怪盗mirageを褒め称える声が後を絶たなくて。


…まあ、私としては、その情報提供者が階段で見かけた“ガンマの弟”だという事に驚きを隠せなかったのだけれど。



湊さんは、結婚式直前にジェームズさんと共に両親の葬儀に出席したものの、途中で具合が悪くなったとかで途中退席してホテルに戻ってきてしまった。


まあそうなるのも無理はない、だって彼は直前まで葬儀に参加するのを渋っていたし、何ならまだ自分に責任があるとか言って私達にずっと謝っていたのだから。



それで先日、無事に退院した3人を含めた全員で結婚式に着ていく正装を購入して、今日それを着て結婚式に参加して、感動して目を潤ませて、


大也が激しくねだっていたパンケーキを食べる為に全員でホテルに戻ってきて、今に至る。
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