没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~
今から恥じらうオデットにジェラールはクスリとし、愛しげに見つめる。

「俺のオデット。どんな宝石より君が最も美しい。鑑定している時の凛とした瞳も、いつものおっとり柔らかい雰囲気も、赤の他人の心配事に心を砕く優しさも、君のすべてが魅力的だ。俺は君が輝き続けられるよう、全力で守ると約束するよ」

丸ごと受け止めてくれる彼の深い愛情に、翡翠色の瞳に涙があふれる。

目元を左手で拭ったら、潤いを得たダイヤモンドの指輪がさらに煌めいた。

この指輪は結婚に際してジェラールから贈られたものである。

三カラットのピンクダイヤで、ジェラールとしてはもっと大きな石にしたかったようだが、オデットが普段もずっとつけていたいから小さめがいいと希望したのだ。

とは言っても三カラットもあれば十分すぎるほど豪華で人目を引くのだが。

琥珀色の瞳が嬉しげに弧を描き、涙に濡れたピンクダイヤに彼の唇が触れる。


「愛しているよ」

その言葉がまぎれもない本心であるとオデットは知っている。

彼の想いはピンクダイヤに色濃くしみ込んで、いつでもオデットにあふれるほどの愛情を教えてくれるのだ。



【終】


お読みくださいましてありがとうございました!
次作は8月末頃の公開を目指してこれから書く予定です。
公開しましたらファンメールにてお知らせいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
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